田村さんの子育て広場
田村 千代乃さん(里在住・子育てアドバイザー・小学校教諭)
第1回
はじめまして,仰木の里の田村と申します。昨年度からまちづくり委員会に入れて頂き,何かお手伝いをと思っていた所,今回から”子育て広場”で,デビューする運びとなりました。小学校に勤務する傍ら,ボランティアとして子育てアドバイスをさせて頂いています内容を,少しでもお伝えできれば幸いです。 私は,この仰木の里に来て15年目になります。今では,夜中のバイクの爆音にもずいぶん慣れましたが,乗り捨てられた自転車や,コンビニにたむろす子ども達の姿が気になるのは私一人ではないと思います。「何を考えてるのかわからない。」といった声が聞かれる中,”子ども達の心が見えない”事こそ大きな課題だと思います。またある面では,この子ども達の姿そのままが子育ての結果なのです。このように反社会的非社会的な行動で,自分を精一杯アピールしなければ生きていられない心の動きを,しっかり見守り,温かい心で受けとめていく『受容』こそ,解決のカギだと思います。 今後共,地域の皆さんと協育(協同して育てること)してまいりましょう。  子育てに関しての御意見等お待ちしています。
第2回
厳しい暑さが続く中,子ども達にとっては楽しい夏休みがやってまいりました。  先日,私の職場での事です。低学年の子が,いすに座って後ろにもたれすぎて,そのままこけてしまいました。痛がっているその子を見て,隣の子が,「どんくさいな。」と一言。  幸い傷もなくてホッとしたのですが,心ない一言と周りの子も笑っている様子に,驚きました。そこで,思いやりの心の大切さを話した後,どんくさいという言葉をどこで知ったのかをたずねてみました。すると,「お母さん。」とのこと。さっそくお母さんに,気軽に話しますと,心ない言葉で接していたことを素直に反省して下さり,その姿勢に深く感動致しました。このように,子ども達は,日々出会う人や物から多くの事を善悪関係なしで吸収しています。また,幼い子ほどそれを模倣してしまいます。  これから始まる長い夏休みこそ,我が子に限らず,出会う子ども達に勇気と元気が出るような心通う 言葉かけ≠「仕事」にしてみませんか。
第3回
「小中不登校最多十三万四千人!」と,大きく発表されました。これは,心理的要因などで三十日以上欠席した子どもの数です。昨年より四千人も増え,そのほとんどが中学生です。 私が,教育相談を受けている多くもこの内容です。なぜ行かないのか,なぜ行けないのか等,その要因は様々ですが,共通して考えられる一つに,親がまさかこの子が≠ニ驚く程,「小さい頃からとっても良い子でした。」とおっしゃる事です。ですから初めは,甘やかしすぎたとかなまけていると思って無理強いして行かせるという対応が多く,一段と追いこんでしまうケースも少なくありません。  良い子≠ノ疲れたエネルギー切れの子どもは,外へ出る事や,中には生きる事に対しても意欲を亡くしかねません。自分の思いを出す事により自我がめばえる第一反抗期・大人を乗り越えて自立していく第二反抗期がしっかり迎えられますように,今こそ子どもの思いや,子どもの心の叫びに,謙虚な気持ちで耳を傾けながら温かい親の愛情で,受けとめてあげたいものです。